こんにちは、謎の診断士です。
診断士合格後、何度か副業の状況を記事にしてまとめてきましたが、
その後の副業進捗についてのご報告です。
タイトルの通りですが、副業としてやってきた診断士活動を、この度法人化いたしました。
今回は、なぜ法人化することにしたのか、そのメリットデメリットなどを整理していきたいと思います。
現在会社員で副業をしていて、法人化した方が良いのかどうか悩んでいる方は参考にしていただけますと幸いです。
これまでは個人事業で副業をしていた。
中小企業診断士試験合格後、会社員でありながら副業を始め、1年とちょっとが経過しました。
ちなみに、私の会社は副業禁止です。
それでも、資格を取ったからには、それを活かしてお金を稼ぎたい。
そんな思いでリスク承知で副業を始めました。
もちろんちゃんと確定申告もしました。
確定申告の際に、副業が会社にばれない方法については、ずいぶんネットで調べました。
私の場合は初めの年は白色申告で雑所得での確定申告ですが、多くのサイトに書いてあるように、住民税の納付を自分でするというところに〇をつけて申告し、今のところ特にばれていない状況です。
2年目に入って、青色申告の届け出をし、さぁ今年も稼ごうと3か月ほどたったタイミングで、個人事業主をやめて法人化することにしたのです。
なぜ法人化をすることにしたのか。
法人化すると決めた理由はいくつかあるのですが、主なものをいくつか記載します。
会社バレのリスクを少しでも下げたい
とりあえず個人事業での副業は今のところ会社バレしていないのですが、今後もそのリスクにひやひやしながら仕事をするのは嫌だという思いがありました。
私の場合、妻子がいますので、妻を社長にして会社にすることで、そのリスクを一層下げることができると考えたのです。
個人事業ですと、何かの拍子でバレた時に言い訳ができないというリスクがありますが、妻を代表にして法人化しておけば、万が一私が別の仕事をしているということがバレたとしても「妻が会社をやっており、仕方なく少し手伝った」ということが言えるかなと。
あくまでも私が主体的にやっているわけではない。という形をとることは、会社バレのリスク対策としては大きいかなと判断しました。
意外と盲点?児童手当てがもらえなくなりそうだった
これは理由の中でも、大きなものでした。
副業2年目に入り、ある程度今後の売上予測を立ててみた時に、1年目よりも売上が大きくなることが想定できました。
そのこと自体はとても良いことなのですが、ふと、
「児童手当の所得制限っていくらだっけ?」
と頭をよぎったのです。
このことは、1年目の時にも少し思ったことがあり、確認したのですが、
その時は、所得制限に引っかかるほどの副業売上がないことがわかり安心して、それ以来忘れていました。
改めて2年目に売上が上がることを想定した際、この所得制限に引っかかりそうということが判明しました。
私の場合、3人の小学生の子供がいるので、年間にして42万円の手当てがなくなるというのは、
なかなかの痛手でした。
ちなみに、児童手当の所得制限は子供の人数によっても変動します。
この時の所得の計算方法は、どの控除を加算するなど、少しややこしいですが、
気になる方はこちらを確認してみてください。
法人化は、これまでもうっすら考えてはいたのですが、イニシャルコストやランニングコストがかかることを考えると、まだ先の話かな。。。と思っていました。
しかし、42万円がもらえなくなるということになると、設立費用払ってでも法人を作って、
入ってくる売上を法人の所得にしてしまうことで、個人の所得増加を防いだ方が良いのではないか、
と考えたわけです。
もっと経費計上して節税したい
これは、マイクロ法人を検討している方は、すでに詳しいのではないでしょうか。
YouTubeなどでも、マイクロ法人を作って節税しようというコンテンツがたくさん出ていますよね。
個人事業の時は家事按分で計上していた携帯代や車両費なんかも、法人名義にすることですべて経費にできるなど、いろいろとできる幅が広がります。
あとは、経営セーフティ共済などの様々な制度をうまく使うことで節税できるということも、
いろいろなYouTubeを見て知っていました。
法人化に向けて悩んだポイント
設立の手続きは面倒?
私は副業で士業の仕事をしていることもあり、書類仕事は比較的得意です。
それでも、法人設立は初めての事ですし、どんな流れで進めるのが効率的なのかはわかりませんでした。
そこで活用したのはマネーフォワードの会社設立サポートです。
費用は無料です。(もちろん定款認証や登録免許税などは別途必要になりますが。)
とりあえず、初期登録をして、これの通りに進めることで、かなりスムーズに法人設立までを終えることができました。
逆に、このサポートがなかったら結構大変だっただろうなとも思います。
全体の流れを見るだけでも参考になるので、将来的に法人設立を検討している人は登録をおススメします。
顧問税理士はつけるのか?
法人業務の決算業務を自分でやるのは至難の業だと思いますので、
決算業務は税理士にお願いしようと決めていました。
しかし、顧問税理士をつけるかどうかは悩みましたね。
スポット型で仕事を発注できるココナラなどでは、
安い金額で法人決算業務だけ受けてくれる税理士さんも複数いました。
ちなみに私は名刺デザインやロゴ発注などでココナラをよく使います。
ただ、顧問税理士をつけるなんで、法人経営でもしない限り機会がないですし、とりあえず1年やってみて物足りなければ止めてもいいかなと思い、契約することにしました。
私も士業として企業の社長と話をすることがあるのですが、
自分も顧問税理士をつけることで、社長が税理士に求めることや、そもそも顧問税理士って何やってくれるの?みたいなことを知っておくことは、自分の仕事の幅を広げることにもつながるのではないかなと思って決断しました。
費用については後述しますが、私はミツモアというサイトで最適だと思える税理士を見つけることができました。
個人事業主と法人の両方を並行して運営できない?
これは税理士さんに相談して、結局は個人事業の方は廃業届を出すことにしました。
仮に私が事業を複数やっていて、完全に別事業であれば、個人事業と法人を分けて運営することはできるようなのですが。やはり同じ事業で二つの手段をもって運営するというのは、税務署的にはよろしくないようですね。
それもそうですよね、個人事業と法人の間で売上の調整を自由にできてしまうことになるので、これは結構グレーというか、ブラックな感じなので、潔く個人事業は引き払いました。
役員報酬はどう設定する?社会保険の支払いが重たい?
この辺は結構悩みましたね。
原則として、会社の経営者(妻)は社会保険に入らないといけないわけです。
社長になる私の妻は、会社員である私の扶養にこれまで入っていたわけです。
となると、今後は妻の社会保険料を別途追加で払わないといけなくなるわけです。
さぁどうしましょ。
いろいろとネットなんかで調べると、役員報酬をゼロにすれば、社会保険料に加入しなくてもよい、というか事実上できない。
という情報もあります。
私「妻の扶養は外した方が良い?扶養のままでイケる?」 税理士「わかりません」
役員報酬をゼロにして、妻を私の扶養のままにしておいてよいのか。わからなかったので、税理士さんに聞いてみたところ、その回答は「社会保険は税理士の専門ではないのでわかりません」でした。
「ただ、少額の役員報酬にして社会保険料の支払いを最低限に抑えるのが良いのではないでしょうか」
「個人事業の時と違って、法人を作ると、法人に入ったお金は自分のお金とは別になります。法人のお金を自分のお金にするための手段は確保しておいた方が何かと良いのではないでしょうか」
とのアドバイスをいただきました。
なるほど。法人のお金を自由に使えないという点は、確かに個人事業の時とは大きく違いますよね。
これらの事を踏まえ、妻(社長)の役員報酬を月45,000円に設定することにしました。
45,000円の根拠としては、
①支払う保険料を最低限ランクにできる
②給与所得控除(55万円/年)ギリギリの範囲内→妻の住民税と所得税がかからない。
という理由です。いろいろ調べた結果、このパターンにしてみることにしました。
社会保険料は追加で支払いが増える形となりましたが、役員報酬自体を会社の経費にできる上、社会保険料の半分は会社持ちのため、その分も経費にできます。
そのため、法人税の節税につながることになるので、シミュレーションした結果、そこまで大きな追加出費という感じではなくなりました。
自分を取締役に入れるのか?
ちなみに私は普通の取締役ですが、私の役員報酬はもちろんゼロで、社会保険は今のままです。
私にも役員報酬をつけてしまうと、それこそ給与を2か所からもらっていることなり、今の会社に副業がバレ、本末転倒ですからね。
私は妻の社長のために、死ぬ物狂いでただ働きをするということです。
ただ、私が発起人で株を100%持っているので、私がオーナー、妻が雇われ社長という「形」になっています。
私を取締役に入れるのかということも悩んだのですが、やはり実質は私が主に仕事をしていて、診断士という資格を持っていることもあり、取締役として入っていた方が良いだろうと判断しました。
でも、会社の謄本には私の名前が載っちゃうんですよね。
謄本は法務局で誰でも取れるものなので、そこは少しリスクですが、
今務めている会社の人に、自分の法人の謄本を取られるということはまずないと思います。もはやバレたあとならあり得ますが。
仮にに謄本を見られたとしても、妻が社長で、私は名前貸し程度に載っているだけ、事実、報酬もゼロですよ。
と説明できるわけです。
私の場合の法人化メリット
ここまで記載してきたように、いろいろと悩むポイントもありましたが、
私のように
・会社員で副業をしていて、
・会社にバレたくなくて、
・妻が専業主婦で私の扶養に入っていていて、
・子供が3人いるケースでの、
妻を社長にしてマイクロ法人を設立することのメリットとデメリットをまとめると下のような感じです。
思い切り副業ができる。がつがつ稼げる。
副業がバレたくないので、私の顔を公に出してがんがん集客するということはできませんが、これまでのように個人事業でかつ顔も出していないとなると、なかなか新規の顧客は獲得しづらいです。
株式会社として集客することで、私の顔と名前は出さなくても、ある程度信頼性が上がるかなと思います。
また、児童手当の所得制限だとか、個人の確定申告の時の住民税で会社にバレないかなど、余計なことを考える必要がなく、副業に集中できるという点は、大きなメリットです。
法人の使い方や社長の考え方を理解できるようになる
副業で普段やり取りしている社長が、顧問税理士に対してどのような思いを持っているとか、節税のためにどう対策を立てているかなど、
自分が実際に法人を作ってみて、ずいぶん考えさせられます。
これは、社長の思いをくみ取るスキル向上という意味でも良い経験です。
また、税金や社会保険などの面で、経営に関する知識がさらに深く身につくということもメリットです。
いい意味でのプレッシャーを感じられる
デメリットのところで細かく書きますが、法人を持つことにある程度のコストがかかります。
せっかくそのコストをかけて法人を維持しているのだから、しっかりと稼がないと損!というようなマインドになります。
副業かつ個人事業の時は、特にそんなプレッシャーもなく、お小遣い稼ぎの延長のほほんとやっていました。それはそれで良いことなのですが、ちゃんとした一つの事業としてしっかりやっていくというマインドになることは、私にとってはメリットだと思います。
私の場合の法人化デメリット
一方で、デメリットとしては下のようなものがあります。
イニシャルコストとランニングコストがかかる
今回法人を作るにあたってかかったコストです。
・イニシャルコスト
法人の銀行印・実印・角印の作成費:8,440円
登録免許税:150,000円
謄本発行手数料:3,000円
印鑑証明発行手数料:1,800円
定款認証手数料:31,940円
その他(コピー代・電子定款用CD-R・製本テープ等):1,060円
合計:196,240円
・ランニングコスト
マネーフォワード(会計ソフト)の年間契約:39,336円
顧問税理士費用:250,000円(年間・決算料込み)
赤字でもかかる法人住民税:80,000円
合計:369,336円
これに、妻の役員報酬540,000円/年と社会保険料(会社負担分役15%)がかかることになります。
自宅住所がさらされる
現在、自宅を会社所在地としているため、住所が謄本に載ることになります。
また、現在ではネット上にも、法人情報として住所が載ることになります。
今のところ、これによる実害はないのですが。デメリットといえばデメリットかなと思います。
いかがでしたでしょうか?
少々長い記事になってしまいましたが。
私のように、副業が会社にバレたくない、法人化をした方が良いのか。など、悩んでいる方にとって、少しでも参考になりましたら幸いです。
まだ、私も法人化して間もないので、時間が経過してみてのメリットやデメリット
副業の詳細などについてもまた別の記事にできれば考えております。